昨年本格的にローンチされた「アートウィーク東京(AWT)」が、今年の参加者ラインナップやプログラムを発表した。都内の11の施設と39のギャラリーが参加を予定している。会期は11月2日〜5日。

今年のAWTは3年連続でアート・バーゼルの協力を得て開催。11の施設と39のギャラリーが参加する予定だ。東京国立近代美術館や東京都現代美術館、森美術館など、日本のアートシーンを牽引する美術館のほか、銀座メゾンエルメス フォーラム、資生堂ギャラリーのような企業が運営する施設も名を連ねる。

会期中に運⾏する無料シャトルバス《AWT BUS》では、東京の現代アートを牽引するアートスペースに加え、本年新たに⽴ち上がる「買える展覧会」《AWT FOCUS》や、国際的なキュレーターが厳選した映像作品を上映する《AWT VIDEO》、アーティストとのコラボレーションカクテルや気鋭のシェフが⼿掛ける料理を提供する《AWT BAR》など、都内各地で開催するプログラムを巡ることができる。また、次世代のアートコレクター育成プログラムや、国際的に活躍するキュレーターを招聘するシンポジウム、⼦どもや学⽣向けの展覧会ツアーなどさまざまなコンテンツを通して、東京そして⽇本のアートシーンを国内外に発信します。

今年参加する東京のアートシーンの多様性を反映した39ギャラリーは、⽇本の現代アートの草分けとしてその歴史を紡いできた東京画廊+BTAP(銀座)をはじめ、ギャラリー⼩柳(銀座)、タカ・イシイギャラリー(六本⽊)、オオタファインアーツ(六本⽊)、スカイザバスハウス(根津)が昨年に引き続き参加するほか、今年は⼩⼭登美夫ギャラリー(六本⽊)、シュウゴアーツ(六本⽊)の2つの⽼舗ギャラリーも加わる。
スカイザバスハウス外観 Courtesy of SCAI THE BATHHOUSE, photo by Norihiro Uenoまた、アーティストの村上隆が率いるカイカイキキギャラリー(広尾)や、ミサコ&ローゼン(⼤塚)、無⼈島プロダクション(菊川)、ナンヅカアンダーグラウンド(原宿)、タケニナガワ(⿇布⼗番)、ウェイティングルーム(江⼾川橋)などのギャラリーの展覧会では、ここ数⼗年におよぶ⽇本の現代アートの動向を追うことができる。そして、ブラム&ポー(原宿)、ファーガス・マカフリー(表参道)、ペロタン東京(六本⽊)など海外に拠点を持つギャラリー、カナカワニシギャラリー(清澄⽩河)、リーサヤ(不動前)、ケンナカハシ(新宿)、コタロウヌカガ(六本⽊)といった新進ギャラリー、フイギユア(⼤塚)とフォーシックスフォーナイン(巣鴨)のようなアーティストが運営するスペースも⾒どころだ。


本年のアートウィーク東京は、「アートウィーク」の新しいモデルを提案するため、新たな取り組みとして、「買える展覧会」《AWT FOCUS》を開催する。すべての出品作品は、出品するギャラリーを介して購⼊可能。展覧会を通じて⽇本の戦後の美術を理解するためのポイントを提⽰すると同時に、⽇本のアートマーケットの活性化を⽬指す試みになる。
《AWT FOCUS》第1弾の開催地・⼤倉集古館(⻁ノ⾨)は、⼤倉財閥の創始者で、⽇本近代美術業界の牽引者でもあった実業家・⼤倉喜⼋郎が1917 年に創⽴した、財団法⼈として⽇本最古の私⽴美術館。
また、マーケットにも造詣の深い滋賀県⽴美術館ディレクター・保坂健⼆朗が、本展のアーティスティックディレクターを務める。
※出品作家や開館情報をはじめとする本展の詳細は8⽉末頃の発表を予定。
保坂健⼆朗(ほさか・けんじろう)プロフィール
滋賀県⽴美術館ディレクター(館⻑)1976年⽣まれ。慶應義塾⼤学⼤学院修⼠課程修了後、2000年より20年まで東京国⽴近代美術館(MOMAT)に学芸員として勤務、2021年より現職。MOMATで企画・担当した主な展覧会に「建築がうまれるとき ペーター・メルクリと⻘⽊淳」「エモーショナル・ドローイング」(以上、2008 年)、「建築はどこにあるの? 7 つのインスタレーション」(2010年)、「イケムラレイコ うつりゆくもの」(2011年)、「フランシス・ベーコン展」(2013年)、「現代美術のハードコアはじつは世界の宝である ヤゲオ財団コレクションより」(2014年)、「声ノマ 全⾝詩⼈、吉増剛造展」(2016年)、「⽇本の家 1945年以降の建築とくらし」(2017年)、「隈研吾展 新しい公共性をつくるためのネコの5原則」(2021年)など。「Double Vision: Contemporary Art from Japan」(2012年、モスクワ近代美術館ほか)、「Logical Emotion: Contemporary Art from Japan」(2014年、ハウス・コンストルクティヴほか)、「The Japanese House: Architecture and Life after 1945」(2016年、イタリア国⽴21世紀美術館)など国外での企画にも携わる。公益財団法⼈⼤林財団「都市のヴィジョン」推薦選考委員、⽂化庁⽂化審議会⽂化経済部会アート振興ワーキンググループ専⾨委員なども務める。

撮影:⽊奥恵三


Information
【アートウィーク東京】
名称: アートウィーク東京(欧⽂:Art Week Tokyo、略称:AWT)
会期: 2023年11⽉2⽇(⽊)〜11⽉5⽇(⽇)(4⽇間)10:00〜18:00
会期: ※VIPプレビュー⽇程として10⽉31⽇(⽕)、11⽉1⽇(⽔)の2⽇間を予定。
会期: ※会場やプログラムにより時間が異なる場合があります。
会場: 都内50の美術館/インスティテューション/ギャラリー
会場: ⼤倉集古館(AWT FOCUS)、「AWT BAR」ほか各プログラム会場
主催: ⼀般社団法⼈コンテンポラリーアートプラットフォーム
提携: アートバーゼル(Art Basel)
特別協⼒: ⽂化庁
【アートウィーク東京モビールプロジェクト】
名称: アートウィーク東京モビールプロジェクト
会期: 2023年11⽉2⽇(⽊)〜11⽉5⽇(⽇)(4⽇間)10:00〜18:00
主催: 東京都/アートウィーク東京モビールプロジェクト実⾏委員会
【料⾦】
・AWT BUSの乗⾞無料。
・参加ギャラリーの⼊場無料。参加美術館ではAWT会期中に限り所定の展覧会にてAWT特別割引適⽤。
・AWT FOCUSの⼊場⼀般有料(⾦額未定)、学⽣・⼦ども無料。